野草が溢れるパリの散歩道 Promenade dans la Petite Ceinture
19世紀中頃に敷かれた全長32キロの「小さなベルト petite ceinture」と呼ばれる鉄道はパリ市内をグルっと囲んで走っていました。貨物輸送を目的として作られましたが、一時は乗客も運ぶ重要な鉄道でした。しかし、地下鉄の発達や貨物の減少で、1970年代末には殆ど需要がなくなり、1993年に廃線となってしまいました。以来、放置状態だったのが功を奏したのか、次第に動植物の宝庫となり、2007年から一部の地帯がアクセス可能となったのです。
現在、9ヶ所の旧線路地帯がアクセス可能ですが、今後もアクセスできる場所が増える予定です。14区にある長さ750メートルの地帯は最も動植物の種類が多いと言われています。公園や道端では見かけないナス科のクコによく似た「solanum dulcamara」や白いヒルガオ?「calystegia」、ゼニアオイ属の「malva」などが沢山咲いているではありませんか。車道より低い位置にあるこの地域は日照りにも影響されなかったようです。公園好きのパリ住民も知らない野趣豊かな散歩道を歩いてみませんか。