ウクライナ料理 Plats ukrainiens
ロシア軍によるウクライナ武力行使は日毎に激しさを増しています。パリ市は、昨日から各区役所で救援物資受付を始めました。ウクライナ支援運動も大きくなり、昨日のレピュブリック広場の反戦集会は周辺の車の流れを止めるほど参加者が車道に溢れました。
最近、ソ連時代に何度も行ったモスクワの食事を思い出します。その当時は、宿泊先が指定されており、いつも同じホテル「ウクライナ・ホテル」に滞在したものです。ロシア通貨の持ち出しは禁止だったにも関わらず、スイスの空港ではいつでもルーブルが買え、その安いルーブルで美味しい食事をすることができました。その中で私が最も気に入っていたのは「ボルシチ」。牛肉、ビーツ、キャベツが入ったポタージュ風のウクライナ料理です。
このボルシチに添えられていたのはニンニク・パンで、しっとりとしたブリオッシュ風の丸いパンを今でも思い出します。パリに住むウクライナ人の知り合いとこの話をしたら、彼女はお母さん伝授のボルシチをよく作るとのこと。肉入りだったり、野菜だけだったりと家庭によって違うとのことでした。お母さんのレシピを送ってもらうのを楽しみにしていたのですが、そのすぐ後に戦争が始まり、レシピの約束は吹っ飛んでしまいました。
もう一つ、ウクライナ料理で頭に浮かぶのが「チキン・キエフ」、絶え間ない爆撃に晒されているウクライナの人々を思いながら、この料理を作りました。溶けたバター・ソースが染み込んだ鶏肉はとても柔らかく風味豊か。シンプルな料理ですが、鶏の胸肉料理として非常にお勧めです。