フランス人をウンザリさせるべきか Arrêtez d'emmerder les français
昨日、マクロン大統領が放った言葉が物議を醸しています。その為、前日に続いて開かれた「ワクチン接種パス」に関する議会討論は又しても途中で中止となってしまいました。これはル・パリジャン紙読者によるインタヴューに答えた時の言葉です。「私は彼らをウンザリさせたい J'ai très envie de les emmerder」、ここで問題になっているのは[emmerder]という言葉です。本来、この言葉は[糞 merde]の動詞で、クソまみれにするという意味。困らせる、邪魔をする、イライラさせる等という時に親しい間柄で使われる表現です。マクロン大統領はワクチン反対派に我慢がならず、この表現を使ったと考えられています。
引用句を好む大統領は、1966年に当時の首相で3年後に大統領になったポンピドーの言葉を借用したのかもしれません。ポンピドー首相はアシスタントだったジャック・シラク(後に彼も大統領になります)がいつも沢山の法令書類を抱え、署名を求めて執務室にやってくるので「いい加減にフランス人をウンザリさせるは止めなさい Arrêtez donc d'emmerder les Français」と言いました。ここで同じ言葉が使われているのですが、ポンピドー首相はウンザリさせるなと言い、マクロン大統領は逆のことを言ったのです。政府はコロナ感染に歯止めをかけるべく、ワクチン接種パスの法制化を急いでいますが、とんだところで躓いてしまいました。本日発表になった24時間での新規感染者数は33万5000で、ピークは未だ来ていないようです。