日本パラドックス La situation paradoxale du Japon

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Dans un parc de Tokyo en Golden Week © Behrouz Mehri / AFP

Dans un parc de Tokyo en Golden Week © Behrouz Mehri / AFP

「模範的な国、それともパニクる国?Pays modèle ou pays qui panique」という文章で始まる昨日のルモンド紙の記事が面白かったので、要約をしてみました。題して「コロナウイルス:日本のパラドックスな状況を理解する7つの疑問」。

 

感染者数は15,000人と低く、死亡者は500人強。感染拡大はゆっくりで、隔離はあくまで自主性に任せている。一方で、緊急事態宣言延長が見込まれ、メディアは医療現場崩壊が起こりそうだと危機感を訴える。しかし、4月12日をピークに新規患者数は減少傾向にある。

毎日の実行テスト数は6000。現在まで、感染疑い者全員への検査は行われていない。政府は五輪開催決行の為に、感染状況を低く見せようとしていた節がある。五輪開催延長の発表後に感染者数が急増したことで、そう指摘する人もいる。また、自宅で死亡した人も多いのではないかと考えられており、この中には「村八分」を恐れて、病気を隠した人も含まれる。

学校閉鎖に関しては、まだ200人しか感染者が出ていない時点の2月27日、安部首相は全国の学校閉鎖を要請した。しかし、自治体の判断に委ねられた為、閉めない学校もあり、4月の新学期にはすべての学校が再び開講した。その後、また臨時休校となり、対策が二転三転としている。

OECDによると、日本は人口1000人に対しベッド数は12床。フランスの6床と比べ、2倍である。にもかかわらず、何故病院は飽和状態なのか?これは医師と人工呼吸器を備えた治療室の不足から来ている。1998年に9060あった設備が現在は1869しかないという数字がある。集中治療室が10万人に対し、7,3人分しかないのである。何故、日本は強制隔離ではなく、自主隔離なのか?五輪開催延長で予定外の出費を抱え、経済活動を止めることはできない。法的観点により、各自治体がある一定の権限を持ち、国は国民に社会距離戦略を強制することができない。よって、日本は国民の市民性に頼ることになる。財政的に余裕のない中小企業はこれまでと同じように仕事を続け、大企業はテレワークを採用した。この割合は全体での20%に過ぎない。レストランは20時までの営業になっている。

では何故、日本はヨーロッパに比べて感染者が少ないのか。高齢者が多く、都会は人口密度が高い。地下鉄の混雑は世界でも有数。日本は感染に対して脆そうであるにもかかわらず、今のところ、最悪の状況にはなっていない。「マスク着用は習慣として定着し、文化的に社会距離の確保と公衆衛生が行き届いている」と専門家は分析する。以前から、公共交通機関や通路の消毒が行われていた。鎖国していた日本が外国に門戸を開いたのは19世紀のこと。これを、西洋との交易で新しい病気に晒されることになった日本の歴史的遺産と見ることもできる。「近代日本を作るには、軍事防衛だけでなく、外部からの細菌を防がなくてはならない」

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