政府のフェイク・ニュース欄 Desinfox Coronavirus ?
去る4月23日、フランス政府はオフシャル・サイトの新コロナに関する情報ページの中に、疑わしい報道記事を掲載する欄を設けました。政府が判断するフェイク・ニュースをまとめたもので、間違った情報に振り回されないようにとの趣旨です。親切?それとも余計なお世話?当初、誰もこのページに気が付きませんでしたが、30日に政府広報官が「新コロナがフェイク・ニュースの拡散を促進する La crise du #COVID19 favorise la propagation de #fakenews」とツイートしたことから一般に知られるようになり、メディアが怒っています。テレビ、新聞、雑誌、あらゆるメディアがこれに異議を唱えた批判記事はまだこの欄に載っていませんが、、、欄に載った報道を一瞥すると、ほとんどが主要メディアが発信したもので、いい加減な記事とは思えません。マァそこが問題なのかも。政府にしてみれば、国民に信頼されているメディアの間接的政府批判記事(真っ向からの批判は誰もしません。緊急事態宣言下、野党も表向きは一致団結体制です)は煙たくて、フェイク・ニュースとして片付けたいのでしょうが。
しかし、こういう時期だからこそ、辛口の報道にも謙虚になってもらいたいもの。人権問題を扱うヨーロッパ法廷で「ジャーナリストは民主主義の番犬」であると認められています。5月3日、ジャーナリスト組合と主要メディアの編集長は共同で、ルモンド紙の論壇にて、政府に対して「この欄の即刻廃止」を要求しました。