今話題の「ゴカイ」とは? Le ver marin "arénicole"

Published on by Kayoko

© Auguste Le Roux / wikimedia

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新型コロナウイルス駆逐の為の努力が各分野で行われていますが、先週までは抗マラリア剤として昔から使われていたクロロキンが注目を浴びていました。病院での重篤患者への投与が認められるようになり、一先ずこの論争は休止です。

そして今、話題となっているのが「ゴカイ arenicola marina」。あまり聞きなれないゴカイとの最初の出会いはシェツィング著「深海のYrr」でした。ドイツで2004年に発表され、一躍ベストセラーとなったエコ・サスペンスですが、「ゴカイが深海で発見された」という場面で主人公が登場します。このゴカイはやがて、世界中に起こる大災害の現象に繋がっていくのですが、今回のゴカイは希望をもたらしてくれるかもしれません。

ゴカイはフランス語で「ver marin 海の虫」と呼ばれる通り、海に棲む小さな環形動物で「ミミズ ver de terre (陸の虫)」みたいな生き物です。ヒト赤血球の40倍の酸素を運ぶ「ゴカイ」から抽出したヘモグロビン溶液の臨床試験が今日から始まります。ウイルスに侵されて機能低下に陥った肺の代わりに酸素を大量に送ることができるとされています。ゴカイのヘモグロビンは血液型に関係なく適用されるのも強みです。また、今週から全快した感染者の抗体を含む血漿の臨床試験も始まり、治療面で大いに期待が寄せられています。

4月に入って、集中治療室患者数の増加が少し緩やかになってきました。やっと隔離政策の効果が表れてきたようです。隔離解除のポイントの一つは、新規重篤患者数が減り、集中治療室の患者受け入れ体制に余裕ができることです。重篤患者総数は依然増え続けているので(昨日の時点で6859人:統計SPF)、現時点での隔離最終日は4月15日となっていますが、その実現は厳しそうです。

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