混迷深めるパリ市長選 Election municipale

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Benjamin Griveaux ©AFP

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フランスでは1ヶ月後に地方選挙があります。この選挙の注目は何と言ってもパリ。220万人が住む首都パリです。与党のLEM(マクロン大統領が作った党)にとっては初めての地方選、大統領の威信にかけてパリを制覇したいところです。ところが今朝、与党から出馬予定だった市長候補グリヴォー(Griveaux)が選挙戦を降りると発表したので、パリは地震が起きたような大騒ぎとなりました。

パリ市長選はちょっと仕組みが複雑です。というのもパリの町は17選挙区に分かれていて、比例代表制。各党のリストの上方に位置すれば、それだけ当選の可能性が高くなります。それぞれが各区で戦い、住民は自分の地区の議員を選びます。例えば、現市長のイダルゴ(Hidalgo)は 11区の社会党を中心とした候補者リスト第2位で出馬します。この地区は社会党が強いので、リストの筆頭でなくとも当選確実です。そして、各区で議員が選出されると、その議員たちが今度はパリ市長を選びます。つまり、誰が市長になるかはどの党が多くの議員を市議会に送り込めるかによるわけです。

グリヴォーは、マクロンの大統領選からの側近で超エリート。政府の顔として活躍し、早くから市長選出馬を表明していました。与党内には一般に人気の高い他の候補者もいたのですが、マクロンの判断で与党代表となった経緯があります。にもかかわらず、世論調査では3位で人気が伸び悩んでいました。そこへ来て、昨日ポルノ・サイトからセックス・ビデオが流されたのです。映像をアップしたのはロシア人の反体制アーティストで数年前から自傷行為のパフォーマンスで物議を醸し出していた人物。「良き家庭人を演じているグリヴォーの欺瞞に我慢ならない」と言い、ビデオの公開を正当化 しています。さて、後1ヶ月に迫った地方選挙、与党はどう戦うのでしょうか。

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