パリのナイーヴ・アート展  du Douanier Rousseau à Séraphine

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パリのナイーヴ・アート展  du Douanier Rousseau à Séraphine

今、パリ7区にあるマイヨール美術館で開かれているのは「アンリ・ルソーからセラフィーヌまで」と題したナイーヴ・アートを集めた展覧会です。素朴派とも呼ばれるナイーヴ・アートではルソーが世界的に有名ですが、彼の作品はもちろんの事、同じ時代に活躍した様々なナイーヴ・アート作品が一堂に会しています。特に、セラフィーヌ・ルイ(Séraphine Louis)の植物や果実を描いた作品は必見です。

" Pommes aux feuilles" de Séraphine Louis

彼女は1864年生まれ、幼い時に両親を亡くし、貧しい生活の中で、ある日守護天使の声を聞き、絵を書き始めました。当時の美術コレクターであったヴィルヘルム・ウーデ(Wilhelm Uhde)が一時、セラフィーヌの絵を買い上げ、展覧会なども開かれましたが、精神に異常をきたし、病院に収容された後は絵を描く事もなく、極貧のうちに生涯を閉じたそうです。セラフィーヌの絵に描かれている植物を見た時、不思議な感覚に捉われたのは、それが非現実であるだけでなく、ヴォイニッチ手稿(Voynich Manuscript)の挿絵を思い出させたからかもしれません。アンドレ・ボーシャン(André Bauchant)やルネ・ランベール(René Rimbert)の絵も見逃せません。

ル・コルビュジエはボーシャンの絵が気に入り、何枚も買ったそうです。ボーシャンの描く人物はデコボコでアンバランス、厳しく冷徹なイメージのル・コルビュジエが彼の絵を愛したと知り、意外に感じたのは私だけでしょうか。

この展覧会は2月23日まで開催されています。

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