エールフランスKLM株をオランダが買い増し Air France - KLM
2004年に2社が統合して誕生したエールフランスKLM社はフランス政府が資本の14%を握り、筆頭株主でした。統合してひとつのグループとなるもそれぞれの会社運営は別でした。その後、エールフランスの業績が悪化するのと反対にKLMは利益を増して行きます。去年の利益の80%がKLMからと言われているにもかかわらず、フランスにコントロールされ、オランダ国益が無視されていると不満が溜まっていました。この辺りはルノー・日産の関係を彷彿とさせます。
4年前に当時の経済大臣だったマクロンは、フランス政府の日産に対する影響力を増す為にルノーの株を操作し、後にフロランジュ法と呼ばれる法律を成立させます。これは民間会社(従業員1000人以上)において「国は出資分の2倍の投票権を持つ」というものです。フランスはルノー株の15%を保有していますが、この法律によって30%の権利を持てるようになったのです。カルロス・ゴーンはこの株操作に大反対したと言われていますが、若干37歳だったマクロンには勝てませんでした。
さて、今回のKLMの造反によって、エールフランスKLMの資本構成はフランス政府14,3%、オランダ政府14%、中国東方航空8,8%、デルタ航空8,8%となりました。フランスとオランダが同等に並んだわけです。では、1週間前から密かに進んでいた買い増しはどこから来たのでしょう?アメリカの投資グループが持っていた6,1%の株が現在ゼロに近いことから、デルタ航空が後方支援している可能性も指摘されています。マクロン大統領はこのオランダのやりかたに激怒しているようですが、4年前のブーメランが今戻ってきたと言えなくもありません。