パリ市のシニア・パス Pass Paris Seniors
シニア・パス(Pass Paris Seniors)をご存知ですか?パリ市が今年の6月から実施するようになった退職者用の乗り物無料制度です。年間の納税額(収入に対する国税)が2028ユーロ以下、65歳以上、3年以上前からパリに住んでいる人なら誰でもこの制度を利用できます。
これまでは収入限度額が低く、又かなりの低収入でない限り、収入に応じて規定額を支払い、優待パスを購入することになっていました。それが中間層にも適用されるようになったのです。私も役所の担当課(CASVP)へ行き、このパスを申し込んできました。地下鉄、バス、トラム、一部の郊外電車も利用できると聞き、喜んでいます。大した用事がなくても気軽に出かけられるではありませんか。
でも、この法案には反対意見が多かったのも事実です。野党は市の予算をもっと別のことに使うべきだと批判しました。2020年には市議会選挙があり、野党であるマクロン大統領の側近バンジャマン・グリヴォーが市長選に出馬するかもしれません。そうなると、現市長アンヌ・イダルゴ(社会党)の再選は微妙となり、せっかくできた嬉しい無料シニア・パスも短命に終わる危険をはらんでいます。今のうちに大いにこのパスを利用したいものですね。