鈴木清順とパリの映画館 Rétrospective Seijun Suzuki
今カルチェラタンの小さな映画館にいます。昔見損ねた「肉体の門」が上映されると知ってやってきました。観客は老若男女取り混ぜ約30人ほど。気の所為かインテリ風が目立ちます。宣伝なしの1964年制作の映画を見に来るのは余程の清順ファンか日本オタクなのでは思ってしまいます。それにしてもこの映画が封切られて話題になったことを覚えている私は何なんだ?と改めて自分の歳を意識しました。
パリの5区には独立系の小さな映画館がたくさんあり、古い映画を掘り出しては企画上映しています。鈴木清順の6本の映画は3月28日から4月10日まで繰り返し上映されていますので、この機会にどうぞ。そのうちの1967年制作「殺しの烙印」はエロと暴力が売りだった映画で、かなりの画面が黒く塗りつぶされての公開だったそうです。その後、DVD化された映像は無修正だったようですが、清順はこの映画が元で日活を干されることになりました。日本では簡単に見ることのできないこれらの映画をパリで見るのは不思議な気がします。