粉ミルク汚染問題 Lactalis

ラクタリス社製造の乳児用粉ミルクがサルモネラ菌に汚染されていた問題はフランス国内のみならず、世界規模で広がっています。
最初に汚染が懸念されたのは去年の8月のことですが、ラクタリス社も衛生管理公的機関も製造工場には問題がないとして、汚染を防ぐ努力をしませんでした。20人の被害者を出し、汚染が疑われる粉ミルクの回収命令が出たのは12月2日のことです。
リステリア菌などの汚染が疑われるチーズなどが回収されることは定期的にあるので、当初、関係者が回収に真剣に取り組まなかったことが問題を大きくしました。この製品を扱っていた大手スーパーのほとんどがこの粉ミルクを売り続けていたのです。現時点で確認された被害者数は37人、回収対象になった粉ミルクは汚染の可能性を指摘されるロットだけでなく全粉ミルクである為、83ヵ国、12百万個に及ぶことになりました。
これまでラクタリス社の名前を知っていた人は余程の乳製品通、ネスレやダノンに続く世界第3位の乳製品大手と言われても聞いたこともない会社でした。そこで、ブランド名で調べてみると、毎日目にする乳製品の多くはこの会社の傘下にあることがわかりました。ちなみに私の冷蔵庫にもふたつ入っていました。
消費者にとって怖いのは、これほどの大企業に対しては公的機関の監査機能がしっかり働かないこと。2005年にサルモネラ菌汚染が同じ工場で起きていますが、「今回見つかった菌は2005年の菌と非常によく似ている」とはパスツール研究所のバクテリア専門家の意見です。となると、12年前の菌が完全には殺菌されていなかったことになり、、、全粉ミルク回収にも不安が残ってしまいます。