5月1日はスズラン祭り Fête des muguets
毎年5月1日はスズランの日。この日は町中にスズラン売りが溢れます。花屋さんはもちろんの事、歩道に置かれた台に切り花や鉢植えが並びます。この日だけは誰でも俄かスズラン売りに早変わりです。今年は、暖冬と低温の春の所為でスズランの開花が遅れていて収穫が少ないようですが、それでも年に一度の「スズランを贈る日」、私も自転車で売っていた可愛い学生さんからブーケを買いました。故郷のブルゴーニュで自ら摘んだスズランだそうです。
この風習はルネッサンス期に始まったとされていますから、500年以上続いていることになります。当時のフランス王シャルル9世がドーフィネ州を訪れた際、スズランを贈られ、これに魅了された王は宮廷の女性たちに毎年スズランを贈るようになったということです。以来、この習慣が一般にも広がり、この日にスズランをプレゼントされないとちょっと寂しい思いを味わってしまいます。日本の聖バレンタイン・ディにどこか似ていますね。
でも労働者にとっては、労働組合が気勢を上げる日です。3月から「エル・コムリ法」という労働基準改革案をめぐって、反対運動が高まってきたフランス。毎週組合員と学生のデモがあり、その都度「壊し屋」が警察と衝突し、不穏な空気が漂っています。またこの日は極右「フロン・ナショナル党」がジャンヌ・ダルクを祝って集会を開く日でもあるのです。スズランを贈ってみんな仲良くという日はなかなか遠いようです。