パナマ文書とモジリアーニ #Panama papers & Modigliani
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パナマ文書の流出は各国で様々な波紋を呼んでいます。アイスランドでは首相が早くも辞任、キャメロン英首相も苦しい立場に陥り、フランスの大手銀行ソシエテ.ジェネラルの不透明な業務も浮かび上がってきました。そして昨日報道されたのはアートの世界もしっかりとこのパナマの法律事務所のお世話になっているというニュースです。
第二次大戦中に消えた絵画のひとつにモジリアーニの「杖をついた座る男 l’homme assis appuyé sur une canne」という作品があります。そのモデルは当時のチョコレート屋、ジョルジュ・ムニエ氏(http://www.newsfromparis.com/2016/03/gateau-au-chocolat-menier.htmlを参考)と言われているものです。その絵を巡って、絵の所有者であったと主張するユダヤ系骨董商の孫と大物美術商の間で5年前から訴訟が起きていたのですが、パナマ文書のおかげで決着が着くかもしれません。違法に美術商の手に渡ったとされるこの絵は1996年にクリスティーズの競売でパナマの某会社に売られました。ところが、前年に創られたこの会社の真の株主は件の大物美術商だったらしいのです。絵を取り戻すべく訴訟を起こしていた相続者に対し、美術商は自分は絵を所有していないと主張していました。