パリの自転車と信号 Cycliste au feu rouge
赤信号で停止しない自転車。パリではこれは交通違反ではありません。去年の7月に法令が変わり、すべてではないものの、赤信号で止まる義務はなくなりました。この法令が実施される前は、交通法規を守らない自転車に自動車は悩まされていましたが、今では自転車に優先権を譲った形となり、運転者はより注意せざるを得なくなりました。その点においては、事故が減ったと評価する向きもあります。でも、横断歩道を渡る歩行者がいても止まろうとしない自転車が多いのには困ったものです。もちろん、歩行者が優先ですが、歩行者は歩行者で信号無視が当たり前のパリですので、どっちもどっちという訳です。
隣の国ベルギーの首都ブリュッセルでは、歩行者は信号を守り、信号のない横断歩道に立つと車が必ず止まってくれます。毎月ブリュッセルへ行きますが、未だに車が道を譲ってくれるのに慣れません。北欧も然り、車はゆっくりと走り、歩行者に道を譲ります。交通事故が少ないのも頷けます。
パリが自転車を優先するようになったのには別の理由もあります。パリの大気汚染が深刻な問題で、公害車を減らす努力のひとつが自転車の勧めなのです。あまり知られていませんが、公害車から電気自動車や自転車に乗り換える人には援助金システムもあるパリです。