フランス映画「マルグリット」 Marguerite
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フランスでは毎水曜日に新しい映画のロードショーが始まります。本日封切られた映画「マルグリット Marguerite」の舞台は1920年のフランス。大金持ちの婦人マルグリット・デュモンは大の音楽好き。好きが高じて、とうとう大劇場でリサイタルを開くことに、、、という或る女性の悲喜劇をカトリーヌ・フロ(Catherine Frot)が好演しています。この映画は今年のヴェニス映画祭で上映され、賞は逃しましたが、観客から大喝采を受けました。この話のモデルとなったのは、アメリカ人のフローレンス・フォスター・ジェンキンス(Florence Foster Jenkins)。1940年代、歌唱力が欠落していたにもかかわらず、カーネギー・ホールでリサイタルまで開いたことで有名なソプラノ歌手です。彼女を取り巻く心優しい人たちは「長所」だけを見つけ「短所」には目を瞑ります。故に、本人は自分の歌唱力がないことに気付きません。
そこで昔縁のあった某夫人を思い出しました。この方は大金持ちの日本女性で、当時、フランスにお城までお持ちでした。或る時、パリの高級レストランでレコード会社の方と打ち合わせをなさいました。その時、出席したのは、フランスで人気ナンバーワン歌手のマネージャー氏と「マイ・ウェイ」の作曲家でレコードレーベルの社長、そして、レコード・ジャケットのデザイナー氏でした。この女性はオペラ・ファンで、ご本人も歌を唄うのがお好きだったのです。私は期せずして、彼女のレコード・アルバム作成の最終打ち合わせに居合わせることになりました。