パリ市「ポイ捨て撲滅」キャンペーン  350 tonnes de mégots

Published on by Kayoko

Garbage truck in Paris
Garbage truck in Paris

9月からタバコの吸い殻を道路に捨てると「68ユーロの罰金」が科せられることになります。以前から犬の糞放置など「公民精神を欠いた行為」を取り締まる法令があり、ポイ捨ても含まれていました。しかし、罰金切符が切られたことはありません。街路樹の根元には金属製網状のものがよく置かれていますが、ここには吸い殻がいっぱい詰まっています。清掃しても網に嵌まり込んだ吸い殻は取れないからです。事務所やレストラン内での喫煙が禁止となってから、通りでタバコを吸う人が増えた分、吸い殻も増えています。地面に吸い込まれたタバコの成分を一掃するには10年かかると言われ、道路の美観だけの問題ではなく、これは環境に関わる重大問題なのです。ここで、以前読んだフランク・シェッツィング(Franck Schätzing)の「深海のYrr」を思い出しました。公害を放置したツケが自然界の一斉蜂起という形で世界を襲うというカタストロフィー系冒険小説です。

さて、「ポイ捨て撲滅」キャンペーンのポスターには「年間350トンの吸い殻」と書かれていますが、どのように計ったのでしょうか。まさか、集めたゴミの目方を一々計っているとも思えません。答えは「パリで年間に販売されたタバコの本数」を元に割り出した数値です。パリの愛煙家が皆ポイ捨てするわけではありませんから、この数字は多過ぎると言う人もいます。しかし、パリ以外でタバコを買い、パリで吸う人がたくさんいるのも事実ですから、実際は350トンより多いのかもしれません。

Campaign "350 tonnes de mégots par un"

Campaign "350 tonnes de mégots par un"

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