パリで見つけた“チャンチン(香椿)” Toona Sinensis
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パリの5区と13区を隔てるサン・マルセル大通りの並木に注目したのは1週間前のことです。それまでは、隣の通りの並木と同じ「エンジュ:Sophora Japonica」だと思い込み、よく見たことはありませんでした。犬の散歩で朝早くサン・マルセル通りを通りかかると、アジア系の女性が木の根元で何かを集めていました。不思議だと思いつつも家に戻り、そのことはすぐに忘れてしまいました。夕方、また犬を連れて同じ通りへ行くと、今度はふたりの女性が木の根元で何かを集めているではありませんか。好奇心が頭をもたげ、何をしているのか訊いてみました。フランス語が通じないので、ボティランゲージを駆使して分かったのは「木の根元に生えている若芽を摘んで、中華料理に利用する」ということでした。
早速、家に戻って木の種類を調べてみると、木は「チャンチン:Toona Sinensis」、中国では新芽が食用にされるとあります。交通量の多い大通りの並木は排気ガスをふんだんに吸い、犬の糞尿との縁も深いと思われますが、食欲には勝てません。よく水で洗い、天ぷらにして食べてみました。若芽は柔らかくコクもあり、非常に美味でした。排気ガス塗れの野菜を洗う方法があるそうなので、今度はそれを研究したいと思っています。